使いやすく壊れにくいデータベースを作るには?SQL Serverのテーブル設計の基本をわかりやすく解説
SQL Serverで信頼性の高いデータベースを作るためには、最初の「テーブル設計」が非常に重要です。
設計を誤ると、後からデータが重複したり、変更が難しくなったり、パフォーマンスが低下することもあります。
この記事では、テーブル設計の基本原則である正規化、命名規則、データ型選定などを中心に、初心者でも理解しやすい形で解説します。
目次
テーブル設計とは?目的と重要性
テーブル設計の目的
テーブル設計とは、データをどのように格納・管理・関連付けるかを決める作業です。
目的は「必要な情報を過不足なく、安全かつ効率的に保存する」こと。
しっかり設計されたテーブルは次のようなメリットがあります。
- データの重複や矛盾を防げる
- 更新・検索のパフォーマンスが安定する
- 将来的な変更や拡張がしやすくなる
逆に設計を省略すると、データの不整合や修正コスト増大などの問題が発生しやすくなります。
正規化とは?重複をなくす設計の考え方
正規化の基本
正規化(Normalization)とは、データの重複や矛盾を防ぐためにテーブルを分割・整理する設計手法です。
SQL Serverだけでなく、あらゆるリレーショナルデータベースで基本となる考え方です。
正規化の主な段階
| 段階 | 名称 | 目的 |
|---|---|---|
| 第1正規形 | 1つのセルに1つの値 | 繰り返しや複数値を排除する |
| 第2正規形 | 主キーに完全従属 | 主キーの一部にだけ依存するデータを分離 |
| 第3正規形 | 非キー属性の独立性 | 非キー列間の依存を排除する |
第3正規形までを意識すれば、ほとんどの業務システムで安定した構造が得られます。
正規化の実例
たとえば「顧客と注文」を1つのテーブルに入れてしまうと、顧客名が注文ごとに重複します。
-- 悪い例
CustomerOrders(CustomerID, CustomerName, OrderID, OrderDate, Amount)
これを正規化すると、顧客情報と注文情報を分離できます。
Customers(CustomerID, CustomerName)
Orders(OrderID, CustomerID, OrderDate, Amount)
これによりデータの重複を防ぎ、顧客名の変更も1か所で済むようになります。
命名規則の基本(テーブル名・列名)
命名の基本ルール
- 英数字+アンダースコアを基本とする(例:customer_orders)
- 複数形は避け、テーブルは単数名で表す(例:Customer, Order)
- 列名は内容がわかるようにする(例:CreatedAt, EmailAddress)
- 接頭辞・略語は極力避け、シンプルで意味が伝わる形にする
SQL Server特有の注意点
SQL Serverでは予約語(USER、ORDER、GROUPなど)を列名に使うとエラーの原因になります。
必要な場合は角括弧で囲みましょう。
SELECT [Order], [Group] FROM Sales;
データ型と制約の選び方
データ型の設計ポイント
テーブル設計では、データ型を適切に選ぶことで性能と整合性が大きく変わります。
- 文字列 → NVARCHAR(日本語対応)
- 数値 → INT/DECIMAL(金額など精度が必要な場合)
- 日付 → DATETIME2(精度と互換性の両立)
- フラグ → BIT(0/1管理で効率的)
データ型の詳細はSQL Server データ型の基礎と選び方を参照してください。
制約(Constraints)の活用
- PRIMARY KEY:重複防止と識別
- FOREIGN KEY:テーブル間の関連を保証
- CHECK:値の範囲や条件を制限
- DEFAULT:省略時の初期値を設定
制約を適切に設定することで、アプリ側でのチェックを最小限に抑えられます。
実務で使える設計のチェックポイント
- ① 重複データが入らない構造か? → 正規化で1つの情報を1か所に保管
- ② 拡張性はあるか? → 新しい列を追加しても他テーブルに影響しない
- ③ 命名が一貫しているか? → チーム開発でも迷わない名前づけ
- ④ データ型が適切か? → 検索条件やインデックスを意識した選定
- ⑤ 外部キーで整合性を保てているか? → 削除・更新時の制約を確認
これらをチェックリストとして設計レビュー時に確認すると、後からの修正コストを大幅に減らせます。
まとめと次のステップ
学んだ内容の整理
- テーブル設計は「正規化」「命名」「型選定」で構造の品質を決める重要工程。
- 正規化により重複や矛盾を防ぎ、保守性が向上する。
- 命名規則と制約設定でチーム開発・長期運用にも対応可能。
参考リンク

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