2026年1月9日金曜日

SQL Server データベース設計の全体像|論理設計・物理設計・運用設計の基本ステップ

SQL Serverで信頼性の高いデータベースを作るには?設計の全体像と3つの基本ステップを解説

データベース設計は、システム開発における最も重要な工程のひとつです。
SQL Serverを使った業務システムでも、設計の質がそのままパフォーマンス・保守性・信頼性に直結します。
この記事では、データベース設計の全体像を「論理設計」「物理設計」「運用設計」の3ステップで整理し、初心者でも理解できるようにわかりやすく解説します。

目次

データベース設計とは?

設計の目的

データベース設計とは、「業務データを整理し、効率的に保存・検索できる構造を作ること」です。
単にテーブルを作るだけではなく、データの意味や関係性、運用までを見据えて構築します。

  • 業務データの重複や矛盾を防ぐ
  • 検索・更新処理を効率化する
  • 将来の変更に柔軟に対応できる構造にする

設計段階でしっかりと構造を決めておくことで、後の開発や保守コストを大幅に抑えることができます。

論理設計:業務データを整理するステップ

論理設計とは

論理設計は、業務で扱うデータの種類・意味・関係を整理し、モデル化する工程です。
具体的には「どんな情報が必要か」「どういう関係にあるか」を明確にします。

主な作業内容

  • 業務要件の洗い出し(管理すべきデータの特定)
  • エンティティ(=テーブル候補)の定義
  • エンティティ間の関係(リレーション)の設計
  • 正規化(重複をなくし、矛盾を防ぐ構造に整理)

論理設計の成果物として「ER図(Entity Relationship Diagram)」が作成されます。
ER図を使うことで、テーブル同士の関係やデータの流れを視覚的に把握できます。


-- ER図に対応する例
Customers(CustomerID, Name, Email)
Orders(OrderID, CustomerID, OrderDate)

論理設計は「業務モデルをデータベース構造に翻訳する作業」と言えます。

物理設計:SQL Serverで実装するための設計

物理設計とは

物理設計は、論理設計で定義した構造をSQL Server上で実際に実装できる形に落とし込む工程です。
ここではパフォーマンス・容量・運用を考慮し、より具体的な設計を行います。

主な作業内容

  • テーブルの作成(CREATE TABLE文の設計)
  • データ型・制約の定義
  • インデックスの設計(主キー・非クラスタ化など)
  • ビューやストアドプロシージャの設計
  • スキーマや権限の設計

この段階では、性能や可用性も意識して設計します。


CREATE TABLE Orders (
  OrderID INT IDENTITY(1,1) PRIMARY KEY,
  CustomerID INT NOT NULL,
  OrderDate DATETIME2 DEFAULT SYSDATETIME(),
  FOREIGN KEY (CustomerID) REFERENCES Customers(CustomerID)
);

適切なインデックスや制約を設定しておくことで、運用後のパフォーマンスやデータ整合性が向上します。

運用設計:安定稼働と保守のための設計

運用設計とは

運用設計は、データベースを長期的に安定稼働させるための設計です。
バックアップや権限管理、メンテナンスの方法を定義します。

主な作業内容

  • バックアップ・リストア方針の決定
  • ユーザー・ロール・スキーマによる権限設計
  • メンテナンスプラン(インデックス再構築、統計情報更新など)
  • 監視・アラート設計(ジョブ監視・エラーログ監視)

運用設計がしっかりしていると、障害発生時やデータ復旧時の対応もスムーズに行えます。

設計全体の流れと実務のつながり

設計プロセスの全体像

SQL Serverでの設計は次の流れで進めるのが一般的です。

段階 目的 成果物
① 論理設計 業務データを整理し、ER図を作成 エンティティ定義・リレーション図
② 物理設計 SQL Server上に実装できる構造に変換 CREATE TABLE文、インデックス設計書
③ 運用設計 保守・バックアップ・権限設計 運用設計書・メンテナンス手順書

この3層を意識して設計することで、データベース全体を体系的に構築・運用できます。

まとめと次のステップ

学んだ内容の整理

  • データベース設計は「論理」「物理」「運用」の3層で考える。
  • 論理設計:業務データを整理・モデル化。
  • 物理設計:SQL Server上に最適化された構造を作成。
  • 運用設計:バックアップ・権限・保守を考慮して長期運用を支える。

参考リンク

SQL Server 解説用イメージ

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